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2017-04

木育・森林環境教育指導者研修会@森林文化アカデミー短期技術研修 - 2012.07.31 Tue

7月30日(月)、森林文化アカデミーにて
短期技術研修「木育・森林環境教育指導者研修会」が開催されました。
講師は、森林文化アカデミー教員の萩原ナバ先生です。

この研修は、学校教員や行政職員、自然学校などの職員、環境教育を実践している団体の方など、
木育・森林環境教育の指導に携わっておられる方を対象とした研修です。

現在、多くの学校において、総合学習の時間を中心に自然体験活動等として、
木育・森林環境教育が展開されています。
しかし、「体験するだけで、学びや生活につながらない」、
「やらねばいけない科目が多く、環境教育を実施する時間が足りない」といった課題があります。

そこで、国語・算数・理科・社会・体育・音楽をはじめとする小学校教科を
地域の森や自然を活かして展開する、
「森を教える」のではなく、「森で教える」というアプローチについて皆で考えます。

た・のしく学ぶ
た・いけんから学ぶ
た・がいに学ぶ

聞いたことは―忘れる
見たことは―覚える
やったことは―分かる
見つけたことは―できる

体験学習の基本を確認し、本題に入ります。

tankigijyutsu1.jpg

はじめに、文部科学省が定める『小学校学習指導要領』が配布されました。
100ページにも及び、1年生から6年生の各科目ごとに指導要領が記されています。
元教員の参加者の方が、この『学習指導要領』について解説をしてくださいました。

・出口は、「興味・関心・意欲・態度」「知識」「思考力」「技能」についての「評価」であること。
・総合学習の「内容」は現場に任されているが、その他の教科科目には「内容」が記されていること。
・ストーリーを描く「単元構成」が重要であること。

それらを踏まえた上で、あるひとつの自然体験プログラムに、学習指導要領に記されている
教育目標のどの項目がクリアできるかを考えていきました。

皆さんが体験したプログラムは、『コテコテバアサン』。
コテコテバアサンと呼ばれる生き物がいます。
その虫は地域によって様々な呼ばれ方がされており、
「グルモンジ」「ハカババ」「チョコムシ」など100近くの呼び名があります。
その生き物がいったい何であるかを考え、それぞれに絵を描いたり、粘土で形作ったりして表現します。

tankigijyutsu2.jpg

それぞれの予想を共有し合った後、外にその生き物を探しにいきます。

tankigijyutsu3.jpg tankigijyutsu4.jpg

ダンゴムシ、セミ、アリ、アリジゴク、カマキリ、などなど、
皆さんが探してきた生き物の中に正解はいるのでしょうか。

正解は、これ。(写真下右)
透明なケースに入れてルーペで観察しました。
体験したプログラムはここまででしたが、
この後はスケッチするもよし、巣の様子を観察するもよし、飼育してみるもよし。

tankigijyutsu5.jpg tankigijyutsu6.jpg

さて、このプログラムの中に、またここから発展できそうな体験の中に、
それぞれの教科目標をどれだけ盛り込むことができるでしょうか。
小学校1~2年生を例に取り上げ考えてみました。

国語
>カタカナの読み書き
>「土」「虫」「足」など関係する漢字
>体験を思いだす(話す・聞く)

算数
>誰が何匹捕って全部で何匹(足し算)
>巣の大きさを比べる(長さの測定)
>どこで何匹捕れたか(簡単な表やグラフの読み書き)

生活
>身近な自然を利用して遊ぶ
>生き物を飼ったり、植物を育てたりして成長、いのち、に気づく

音楽
>様々な呼び名にリズムをつける(音遊び)

体育
>軽快なリズムに乗って踊る

道徳
>生命を大切にする心
>動植物に優しい心で接する

これらは、ほんの一例です。工夫次第では、まだまだ様々な要素が組み込めそうです。

tankigijyutsu7.jpg

午後からは、本格的に、木育・森林環境教育として実践されている森林での活動に
どんな教科目標の要素が含まれているか、クリアできそうかをグループごとに話し合ってまとめ
発表を行いました。

tankigijyutsu8.jpg

「間伐」というひとつのアクティビティーに絞って考えたグループもあれば、
季節ごとの森林の様子を踏まえた年間のスケジュールを提示したグループもありました。
学年も、低学年から5年生までそれぞれに設定しました。

5年生を対象としたグループでは、

[国語]地域のお年寄りに対する「聞き書き」によって、
・話し言葉と書き言葉との違いに気付くこと。
・時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いに気付くこと。

[算数]木の円周を測ることによって、
・円周率について理解すること。
・円柱などの立体図形について理解すること。

[体育(保健)]森林に出かける際の安全管理を学ぶことによって、
・けがの防止について理解するとともに、けがなどの簡単な手当ができるようにする。

などの例が挙がり、リアリティーのある活動と教科目標のつながりも見えてきました。

tankigijyutsu9.jpg

一方で、
現場の教員の方々からは、
・学習指導要領(教科目標)のクリアという問題だけではなく、評価(評価基準)をどうするのか。
・今必要とされているのは「リアリティ」と「自己存在感」であり、
人間関係をどう作っていくか、人格形成を任されている立場として、
森林がふさわしいフィールドであるかを議論する必要もある。

体験活動の指導者の方からは、
・活動の部分をプロの我々が担ったとして、それを地域でできる仕組みをどう作るかが課題である。
・学校の問題だけではなく、放課後や生活の部分、地域や家庭が担う部分が大きな役割を果たすはず。

などといった、様々な意見交換もなされました。
今後のより良い、子どもたちの「学び」のかたちを模索する場として、
有意義な研修会になったのではないでしょうか。

Wrote:前西

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